トキのカブクワ飼育記録

こんにちはトキです

今回はグラキリスノコギリヒラタのお話




ノコギリヒラタといえば近年の再編でノコギリ属(Prosopocoilus)からノコギリヒラタ属(Epidorcus)に十数種類が変わったことが記憶に新しいかと思います

このグラキリスもその中の一種類です

全体的に華奢で細長い印象を抱く形状をしていて、格好良くありつつ綺麗さも兼ね備えたクワガタです

コロナ禍でベトナム便が途絶えた頃にはそこそこのお値段で流通していました

最近ではかなりお手頃になったので比較的手が出しやすいかと思います




①親入手

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学名:Epidorcus gracilis
和名:グラキリスノコギリヒラタクワガタ
産地:ベトナム ラムドン省 ダラット近郊
サイズ:♂不明 ♀22mm
累代:WILD


Ultimate Mika KABU KUWAさんより2023年7月に購入(恐らく)

追い掛けせずメス持ち腹で組んだため、メスのサイズは記録がありましたがオスのサイズが見当たりませんでした

40mmUPだったとは思います

雌雄共に全体的に小豆色をしていてなかなか趣があるクワガタです

似た種類にピケイペンニス、アンドレアスが存在しますがそちらは内歯下がり固定或いは内歯下がりも出現します

BE-KUWA79号の解説でも触れられていますが、グラキリスの内歯下がりはほぼ存在しないと言ってもいいくらい見られません

最近ではたまーにヤフオク等で見ることがありますがハザン省かつ兄弟と思われる個体がアンドレアスとグラキリスの両名義で販売されているので闇が深いというかなんというか……

単純に誤ラベルか追い掛けして混ざったとかでは無いかと個人的には思います

メスの見分けほぼ不可能ですからね






②産卵セット(2023/7/18)



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1年以上前のことなのでどっちがどっちか忘れてしまいましたが君嶋きのこ園さんのクヌギ材と昆虫家さんのクヌギ材で組みました

マットは……固詰めしてなかったような?

Epidorcusは材産み傾向強めというかほぼ材産みなので固詰めはいらないと思います

今年トンキン、グラキリスと固詰めで試しに組んでいましたがどちらもマットには産んでいませんでした

温度はいつも通り20℃前後です

夏場だったのでもう少しだけ高かったかもしれません







③羽化


5月〜7月にかけて全ての個体が羽化してきました

しかしながらなんとも面白くないというか、よく聞く50mm付近に壁があると言う通りほぼ全ての個体がその付近でした

正直これに関しては壁があるのもそうですが単純にそこまでの難易度が低い印象です

200ccプリカだろうが430ccプリカだろうがだいたい50mm付近で羽化してきます

逆にどうやったらそれより小さくなるのだろうというくらいなので、お手軽にそこそこサイズを出したい方にはもってこいの種類だと思います

今回手を抜きすぎてまともに飼育したのが1頭のみなのでそれのみ紹介します





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2024/1/24  2齢  800cc  生オガ発酵マット
2024/6/XX  蛹化  4.2g
2024/7/19  羽化  55.1mm


2024年のレコード号で更新されてしまいましたが、前レコードに0.2差という結果でした

更新された方のSNSで蛹体重4.6gというのを見ていたので更新されるだろうなと思っていたらやはり

ここから1.5mmはまた遠い道のりになりそうです

とはいえカワラでなくともレコードは十分狙えることがわかったのが収穫ですね

材産みかつノコギリヒラタという名前の通り、生オガが良いのではないかという思惑がハマった形になります

次のサイクルでは初齢1400cc1本返しや水分量等で試したいことがいくつかあるので早く挑戦したいです

しかしながらこやつら休眠期間が読みづらいんですよね

先に羽化したメスは2ヶ月くらいで動き出し、既に全て落ちてしまいました

このオスは未だに寝ているので夏以降に羽化した個体は休眠を長めに取ったりするのかもしれません



ということでグラキリスノコギリヒラタ1サイクルでした

WILDからであれば産卵飼育ともに簡単でカッコいい個体も出やすいので興味のある方は是非!

次サイクルは蛹体重5gを目指します!

それでは今回はこの辺で〜



こんにちはトキです

今回はベルニカトゥスコクワガタのお話



ビシグナートゥスコクワガタの記事でランバージャックさんでアルナーチャル便を購入した旨を記載したと思います

その際に同時に購入していたのがこのベルニカトゥスです

というかこちらが本命でした



①親入手

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学名:Dorcus vernicatus
和名:ベルニカトゥスコクワガタ
産地:インド アルナーチャルプラディーシュ州 ディバンバレイ
サイズ:♂♀free
累代:WILD


インド北東部のものはベルニカトゥスで正しいと思います

オスの内歯が広がらないのが特徴かなと

頭楯の形もクサカベ辺りと比べると違いが見て取れますね

なかなか入荷が無い割りにお手頃価格で入手できました

産卵方法など全く情報が無いため試行錯誤するしかありません

とはいえ累代の成功例はあるようですしそこまで難しそうな見た目はしていないので気合を入れ過ぎないようにしていきます


このくらいのサイズになると小さくて撮影環境とスマホカメラの限界を感じますね(笑)





②産卵セット(2023/7/29)

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産卵木
左:君嶋きのこ園クヌギ極柔
右:くわかぶプラネットナラ特選材

マット
ばくさん君SP特Aマット

温度
20℃前後


マットにも産む可能性を考えて発酵が浅く微粒子のマットをチョイス

材もそれなりにお高いものを使いました(笑)

購入した時は極柔材の使い道があまり思いつきませんでしたが小型のコクワやノコギリには一先ず試してみるものとして最適解になりつつあります

2023年では使いませんでしたがキクロにも相性が良いです





③羽化

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ちっちゃい!!

小さくてピント合わないわ動き回るわで撮影が大変でした

独特な大顎とピカピカの上翅が良いですね〜

ビシグやヒマラヤもそうですがインドのコクワガタは光沢が強い種類が多いですね



割り出し等の画像が無いのは産卵セットで羽化させたためです

あまり数が多くなさそうだったのとそもそも20mmに満たないような種類なので環境変化させるよりも現状維持を選びました

厳密には材から2頭だけ割り出しました

そちらも無事に羽化、活動開始しているので特に環境変化に弱い等は無さそうです

マットからは羽化した♂1♀4と蛹♂5♀1が出てきました

しかし、割り出し最中に羽化が近いオス蛹を潰してしまうという痛恨のミスを犯してしまい、更にオス蛹1頭が羽化できず力尽きました

なので最終的に合計♂4♀6です

その2匹が無事に羽化できていればちょうど半々でしたね


なんとなくわかっていましたがあまりたくさん採れる種類ではなさそうです

それか何かがハマっていないか……

この辺の特異な形質のコクワが爆産するイメージがわかないんですよね

WF1で何か掴めればいいなと思いつつ恐らくあまり変わったことはしないと思いますが

先ずは繋げないといけませんからね!





というわけでベルニカトゥスコクワガタでした

小型の割には幼虫期間がかかりましたね

もうちょっと温度を上げれば多少は早くなるかもしれませんがアルナーチャルのクワガタならこのくらいが安牌な気がします

後食までも早くて1〜2ヶ月あれば元気に動き回るようになりました

ただいかんせん小さいのでちゃんと後食したという確認が取りづらい!

舐める程度ですぐ離れてしまうことが多いので動き回り始めたら後食も始まったと見ていいかなと思います



そういえば年始にWF1が出ていましたが本当でしょうか?

同じ時期に購入していたとしても8月下旬〜9月上旬の孵化で12月に羽化

うーん……?

複数の人が出してるならまだしもその人だけでしたから余計に訝しんでしまいます

CBの累代品はたまに出てますからね

まぁこれ以上は確認のしようもないので言及しませんが




小型で魅力的なコクワガタなので機会があれば飼育してみてください

それでは今回はこの辺で!



こんにちはトキです

今回はリノケロスフタマタ原名亜種(と思って飼育していた種類)のお話



俗に言うジャワリノケというやつでジャワ島に生息しています

年に数回、少数入荷しますが本物が殆ど来ません(笑)

メスが9割ブケットで残り1割に野外交雑が入り交じる混沌状態です

ではどうやってリノケロス原名亜種を入手するか

数を撃つしかありません

いや本当に……




①親入手



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学名:Hexarthrius rhinoceros rhinoceros
和名:リノケロスフタマタ原名亜種
産地:インドネシア ジャワ島 西ジャワ州 スカブミ
サイズ:♂74mm ♀37mm
累代:WILD


2023年4月下旬頃にアリスト便で入荷した2ペアの片割れです

確か2諭吉以上しました
(新紙幣になったらこの表現伝わらなくなりますね)

わかる人ならなんとなくわかると思いますがぶっちゃけメスはブケットです

私も割りと雰囲気でしかわかりませんが、ブケットは前胸背板側縁がより丸みを帯びるというか外に張り出す印象です

とはいえ本物のジャワリノケのメスをBe-kuwaくらいでしか見たことがないので断言できません

それでもブケットを避けようと思うなら多少は判断材料になるのではと思っています

このメスは思いっきり湾曲して丸みを帯びているため、届いた時点でブケットかなと覚悟はしていました

あとは眼上突起の角度が違うのではと思っていますが、これについては私自身がパッと見て判断できないため詳細は割愛します


②産卵セット(2023/5/4)

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コバシャ中ケースに材3本を埋め込んだセット

後々材を変えたりしたので何の材を使ったか正確に覚えていません

基本的には君嶋きのこ園さんの材がメインだったような気がします

ブケット説が高かったので持ち腹で投入しました

割り出しや幼虫のボトル交換時の画像は撮っていません

撮るのが面倒でしたすいません……


③羽化

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♂羽化第1号です

気づいたら蛹室を作っていて嫌な予感はしてましたが、蛹化して立派な最大内歯が見えた時のガッカリ感と来たら……

混ざりでもなく純粋なブケットで感心すらしてしまいますね


以下データ
2023/8/11 ♂2齢 既製1400cc ホビー倶楽部オオヒラタケ
2023/12/25 26g 既製1400cc ホビー倶楽部オオヒラタケ 頭幅13mm
2024/4/14 蛹化18g
2024/5/21 羽化80mm





♀がこちら


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2023/9/30  2齢 既製800cc ホビー倶楽部オオヒラタケ
2024/4/XX  羽化42mm


前胸背板側縁が親に似て丸みを帯びつつ外に張り出していますね

血の影響なのかブケットのメスとしての特徴なのか

ジャワリノケを引いて確かめてみたいところ








ということで「【定期】ジャワリノケを買ったらブケットだった」の記事でした

フタマタをブリードするなら誰しも必ず通る道なのでやむ無し

なのでネシアフタマタはWF1を幼虫で販売するという愚行は慎みましょう!



さて、タイトルにA-LINEとあるように複数のWILDを購入して飼育しています

2023年に購入した数は7ペア

ジャワリノケだけで7ペアですよ?

気が狂ってますよね……

そして当たり前のことですが全てが無事に産卵するわけもなく……

幼虫が得られたのはA,C,E,Fの4ライン

あとの3ラインは幼虫が採れませんでした

Eに関しては採卵した卵が無精卵だと思って同居させた結果、チョンパされてしまったため2頭のみです

個人的ネシアフタマタの所感なのですが、追い掛けしないと結構な確率で産みません

でも今回のように雌雄が違う可能性が大いにあるので追い掛けしづらいじゃないですか

なので失敗率が上がるというイメージです

基本的にネシアフタマタは狙った種類のブリードを成立させるまでの壁が高いです

1. 雌雄の同定があっている
2. 野外で別の種類と交尾をしていない
3. 既に野外交雑で生まれた個体ではない
4. 正常に産卵可能なメスである

地味に厄介なのが2で、同定があっているのに混ざるパターン

誰も悪くありませんからね……


・とある事例
マンディブラリスを購入したらリノケロスとの交雑種が羽化してきた

気づかずに販売しようとする

閲覧者に指摘される

マンディブラリスとして買ったからマンディブラリスだと言い張る

結局販売を取り下げる

販売元に購入した種類と違うから返金しろと迫る

購入元しぶしぶ返金


ということがありました

販売取り下げまでは私もリアルタイムで観測していましたがその後はとある情報筋から聞きました
(その情報筋は本人から聞いたそうです)

ネシアフタマタで違う種類だから返金しろっていうのがそもそも酷い話なのですが、前述した2のパターンだった場合は販売元に非が無いわけで

そういう種類に手を出した自己責任です



少し話が逸れましたがこうした壁があることから、追い掛けさせず持ち腹での産卵が推奨されています

ネシアフタマタの産卵難易度が大陸フタマタより高いのはこの持ち腹推奨も起因しているのかなと

もちろん大陸フタマタよりも産卵数自体少ない傾向にはあるのですが拍車を掛けているというか

あとは追い掛けしようが何しようが全く産まないメスもWILDでは一定数いますね

この辺は雌雄の種類が合っていない故なのかなんなのか……

冒頭で述べたようにネシアフタマタの中でもジャワリノケはメスそのものがほとんど入って来ていない事に加えて、その他の原因も合わさって累代ものが出回らない状態なのだと思います



そういえばいつぞやのアリスト便でジャワリノケ♀単50mmが3頭出品されたことがありました

ブケットは野外でも45mmを超えることは殆ど無いため、ほぼ確定でジャワリノケのメスだと思われていました

なので私がその3頭全てを落札

結果、実はスマトラリノケの間違いだったと言われてキャンセルされました(笑)

確定ジャワリノケのメスを入手することは叶わず終い

もしあのオークションに参加していた方は色々な意味で安心していただいて大丈夫です


それで言うとF-LINEのメスは47mmありまして

普通ならジャワリノケだ!と喜ぶところなのですが

インドネシア便あるあるの島間違いがあるためまだ油断できません

セアカ(パリー)とかスマトラリノケの可能性が残っています

ほんと難儀ですよねぇ

F-LINEは秋にノブインターナショナルさんで購入したため、結果が出るのはまだまだ先になります

CやEも結果が分かり次第ブログに載せていこうと思うので暫しお待ちを



それでは今回はこの辺で!



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