こんにちはトキです

今回はタイトルの通り雲南省産のドンキエルコクワガタ原名亜種のお話



時は遡ること2022年1月9日

PLANET OF BEETLEさんから新年1発目の入荷メールが来ました

見てみるとドルクスドンキエルの名前が!

後述しますがPOBさんからの赤ドンキには苦い思い出があったためリベンジを兼ねて狙いに行きました

とはいえこの時点ではHP未掲載で掲載時間も不透明でした

翌日は朝9時からHPに張り付いて更新ボタン連打してました(笑)

9時半頃から同じタイミングで入荷したヤクシャ、ゴンシャナス、ヒルティコルニスssp.が先に掲載されて今か今かと待っていましたがなかなか来ず

11時過ぎにようやく掲載されて何とか完品ペアを購入することができました



それではご覧ください、雲南省産ドンキエルコクワガタです!



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学名:Dorcus donckieri donckieri
和名:ドンキエルコクワガタ(赤ドンキ)
産地:中国 雲南省 怒江リス族自治州 貢山
サイズ:♂58mm ♀39mm
累代:WD(材割採集)



いやー綺麗ですねぇ

メスの上翅に気泡があるのが勿体無いですがブリードに支障は無いでしょうから問題無し

ちなみに撮影日は2022年5月20日です

休眠期間中はできるだけ触りたくなかったので届いた直後に状態確認をしてから以降、生体には一切手を触れませんでした

なにせお値段がお値段なので……

下手に温度がある所に置いて休眠不十分になっても困るので届いた時の発泡箱に入れて常温に置いておきました


もはやどちらが先に起きたか忘れてしまいましたが4月〜5月にかけて後食を開始(オスが先だったかも?)

後食開始ももう少し早かったかもしれません

撮影日付的にわかると思いますがそのタイミングで同居ペアリングを行いました


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滅多に無いとは思いますが万が一メス殺しをされたら堪らないのでオスの顎をマスキングテープで巻いています

基本的に成熟したオスであれば最初の興奮状態が収まれば大丈夫なので割りと直ぐにとれるマスキングテープは生体への負担も少なくて良いかもしれません

元気に活動してるのに同居しても交尾しないのはツカモトフタマタとシネンシスssp.くらいでしか経験無いですね

交尾したあとに殺すパターンはありますが……



少し話が逸れましたが無事に交尾も確認できたので産卵セットに投入

2LブローのグリードSLをメガフードコンテナに置いただけのお手軽基本セットです

意外とすんなり潜っていってくれたので期待しつつ待っていると








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側面から卵を確認できました!

嬉しくもありホッとしましたね

せっかくの菌床産卵なのと赤ドンキ初産卵だったので幼虫で割り出すためにそのまましばらく置いておくことに

メスが出てきてくれれば良かったのですが全く出てくる様子もなく、ゼリーを置いても食べに来ることもなかったため産卵を終えて力尽きたのかもと考えてできるだけ多く幼虫がいることを祈ります



時は流れてやっとこさ重い腰を上げて割り出しを敢行したのは2022年8月28日

産卵セットを組んでから3ヶ月ほど経っていたと思います


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産卵ボトルはこんな感じになっていました

そこそこ大きくなってる幼虫が見えてますね

割り出すのが遅すぎた感は否めません……


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孵化しなかった卵も

ちゃんと孵化する卵もあれば孵化しない卵が出てきてしまうのもやむを得ないでしょう


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ちなみに中はこんな感じ

菌糸の部分はほぼ無くなってしまっていました

肝心の幼虫はというと



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20頭の大豊作でした!!

ドンキはダラダラ産みかと思ってただけにこの収穫はありがたい!

これだけいれば2Lブローの菌糸が早々に食い尽くされるのも納得です


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幼虫の亡骸もありました

実際はもう少しいたのかもしれないので反省です

今回割り出した幼虫20頭は全て既成Eカワラ800ccに投入しました

温度は基本的に21℃前後で管理していたのでドンキの管理としては少し高めだと思います

メスはまだ健在だったので次セットに投入し、穿孔もしましたが休眠モードに入ったようで産んではいなかったので2023年1月4日に雌雄揃って越冬セットへ移行しました




幼虫の方はその後、11月に菌糸交換を行いました

オスと判別した幼虫は既成Eカワラ1400cc、メスは800ccへそれぞれ投入

特に画像等は取っていないので記憶がかなり朧気ですが少し遅かったような記憶があります

管理温度が高めだったためかこの段階で既に蛹室を作り始めていたメスが2頭いました

その子達は交換せずそのまま羽化してもらいました

他の幼虫も大人しく食べているのは一部で大体は暴れたりすぐ蛹室を作り始まっていたと思います




年が明けて2023年1月〜3月にかけて大半が羽化してきました

1年以内に羽化してしまったのでメスはともかくオスはだいぶ早い方かなと

一部の新成虫を掘り返したのでデータを交えつつ紹介していきます

番号管理していましたが今回は掘り出し順で掲載していきます




No.17


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2022/8/28 2齢  既成Eカワラ800cc
2022/11/5 ♂11g 既成Eカワラ1400cc
2023/2/XX 羽化   ♂54mm





No.19


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2022/8/28 2齢  既成Eカワラ800cc
2022/11/5 ♂11g 既成Eカワラ1400cc
2023/3/XX 羽化  ♂60mm





No.9


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2022/8/28 3齢  既成Eカワラ800cc
2022/11/7 ♂11g 既成Eカワラ1400cc
2023/2/XX 羽化   ♂60mm





No.7


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2022/8/28 3齢  既成Eカワラ800cc
2022/11/7 ♂12g 既成Eカワラ1400cc
2023/2/XX 羽化   ♂62mm





No.12


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2022/8/28 3齢  既成Eカワラ800cc
2022/11/7 蛹室らしきものを確認
2023/1/XX 羽化   ♀40mm





No.8


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2022/8/28 3齢  既成Eカワラ800cc
2022/11/7 蛹室確認
2023/1/XX 羽化   ♀40mm





No.15


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2022/8/28 3齢  既成Eカワラ800cc
2022/11/5 ♀8g   既成Eカワラ800cc
2023/2/XX 羽化   ♀41mm





No.13


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2022/8/28 2齢  既成Eカワラ800cc
2022/11/5 ♀7g   既成Eカワラ800cc
2023/1/XX 羽化   37mm




以上8頭を掘り起こした結果になります

オスは最大62mm、メスは最大41mmでした

メスはまぁ良いとしてやはりオスが小ぶりですね

交換タイミング等でもう少しなんとかなるとは思いますが70mm以上を目指すなら20℃以下の管理は必須かもしれません

ちなみに1頭だけ11月に交換したタイミングで常温にしてみた結果、現在も幼虫ですが特別大きくなっている様子もありませんでした

10℃は切らないような環境でしたが成長を促すのであれば15℃以上は無いとダメそう

逆に言えば体重が乗り切ってしまえば暴れそうなタイミングで冬を感じさせつつ暴れを防ぐという事ができるかも……?

まぁこれは憶測ですしリスクもあると思うので頭の片隅に残しておく程度にします

一先ずは親超えも果たせましたし個人的には悪くなかったかなと


そういえば赤ドンキは菌糸が劣化していると羽化不全をしやすいという話を聞きますし、私も実際に体験しましたが今回はまだ掘り出していない分も含めて羽化不全は0です

蛹化不全で落ちたのがいましたがなかなか蛹化せず、菌糸交換を躊躇ったために劣化して上手く蛹室作成できなかった等の理由でした

ミャンマー産の赤ドンキの国内ブリード品は血が濃くなっていてそれが影響してるのかもしれませんね

今回それなりの数の幼虫が纏まって採れたのも血の濃さが関係してるかも……?

色々なことが見えた1サイクルだったかなと思います


雲南の赤ドンキは大顎先端の内歯があまり発達しないとStag beetle of China IIに記載があります

今回羽化した生体のサイズが小さいのでなんとも言えませんがこの辺りも次世代以降で確認したいですね



そうそう、この記事を最初に書き始めたのが2022年6月だそうです(笑)

産卵確認や割り出しのタイミング等、キリのいいところで更新しようと思っていたのですがなかなか上手くいかないものです

今年のブログ更新が2回目というのも相当アレですし……

最近はありがたいことにアクセスが無い日が無いくらいには目にしていただける機会が増えているようなので少なくとも月イチくらいでは更新できるように頑張りたいと思います

あとはこの赤ドンキを含めてぼちぼちヤフオクに羽化した生体を出していきたいな、なんて考えてます

出品はしたことがないので手探りですがもし目にする機会があればその時はよろしくお願いします


それでは今回はこの辺で!