こんにちはトキです
今回はルフォノタトゥス原名亜種のお話
そもそもルフォノタトゥスコクワガタとはなんぞやという話なのですが、2010年に発刊された世界のクワガタムシ大図鑑ではビシグナートゥスコクワガタの亜種になっていた種類です
elsiledisがルフォノタトゥス原名亜種に、giselaeがルフォノタトゥスのタイ亜種になったのが現行の分類になります
それぞれの分布域はどこなのかという話ですが、ざっくり言うならベトナムが原名亜種、タイが亜種giselaeです
が、ベトナムのイェンバイ産に関しては亜種giselaeに類するものと思われます
ベトナムに生息しているものを一括りにルフォノタトゥス原名亜種としているためその括りになっていますが生体の特徴が完全にgiselaeと一致するためです
それぞれの特徴をざっくり書くと
原名亜種
・腿節は赤褐色
・全体的に褐色
亜種giselae
・腿節は黒色
・全体的に黒色
・上翅後方に黄紋が発生
こんな感じです
もし手元にイェンバイ産の個体がいる方は照らし合わせてください
私もWILDを何頭か見ましたが全てのgiselaeの特徴を備えていました
なのでイェンバイ産に関してはgiselaeと思われます
そして困ったことにBE-KUWAの飼育レコードにはこのgiselaeと思われる個体が登録されているのです
BE-KUWA54号世界のコクワガタ特集でもベトナム北部〜中部をルフォノタトゥス原名亜種の産地としているのでそれに倣った形なのだと思いますがそれにしても……
しかも腿節が赤褐色を原名亜種って記載されているんですけどね
更に言うとベトナム北部と中部でも微妙に違うんですよねぇ
ベトナム北部(ハザン辺り)は上記の特徴ほぼそのままなのですが中部(コンツム辺り)は上翅に黄紋というか外側に沿う様に線が入ります
これは雌雄どちらにも該当します
地域変異と言われればその通りなのかもしれないのでこれ以上は何も言えませんが……
逆にgiselaeのようにお尻付近に少しだけ出ることはほぼ無いと思われるので、イェンバイ以外のベトナム産でお尻付近にしか紋が無い場合はラベルミスか産地ミックスを疑った方がいいかと
ヤフオクでたまに見られますので
さて前置きが長くなってしまいましたが今回たまたま原名亜種を2産地入手することができましたので紹介していきたいと思います
まずはベトナム中部コンツム省産
学名:Dorcus rufonotatus rufonotatus
和名:ルフォノタトゥスコクワガタ原名亜種
産地:ベトナム中部コンツム省
サイズ:♀フリー
累代:WILD
残念ながらメス単品です
Ultimate Mika KABU KUWAさんの6月下旬のベトナム便にて購入
実は買う予定は無かったというか、入荷リストに無かったので入荷していたことを知りませんでした
クサカベコクワをネットで注文し、受け取りに行ったのですがメスが落ちてしまったためキャンセルに
まだ記事にしていない他2種だけ購入して終わりにしようかと思っていたところ、謎の籠があったのであさってみたらいました
一応不明ドルクスということでしたがコンツムでこの色形は99%ルフォノタトゥス原名なので即決
以前からドルクスグッズさんに入ったWILDを狙っていたのですがだいたいすぐ売り切れてしまって買えずだったのでなかなか嬉しかったです
画像を見てもらえればわかるように上翅の縁に沿って紋が入っています
そして腿節にもしっかりと黄褐色が出ていますね
これがベトナム中部の特徴です
思わぬ形で入手できたコンツム産の原名、メス単なので持ち腹にかけてセットを組みました
7月9日
左:Amberさんのナラ材柔らかめ
右:ホビー倶楽部さんの植菌カワラ材
マットは産卵1番、ケースはメガフードコンテナです
セットを組んだ際のメモにはホビー倶楽部さんのカワラ材と書いてましたが確か勘違いでクワガタ横丁さんのダブルカワラ材か人工カワラ材だったと思います
材を削っていることは確認したのでいつもの如く幼虫で割り出すため放置
来たる10月25日割り出しを敢行しました
蓋を開けるとこんな感じ
相変わらずなかなかの具合です
どこかのタイミングで左の材を持ち上げて確認したような気がしないでもないですが基本的にセット後は触っていません
さてさて成果はどんなものかと材を割っていくと……
めちゃくちゃ削った跡も卵らしき跡もあったのですが幼虫はいませんでした
掛かってなかったか種切れだったようです
メス単では仕方がないことですが辛いですねぇ
何より辛いのはあの綺麗なオスを見ることが叶わなくなったことです
ベトナム中部のルフォノ原名は本当に綺麗なので見たかったなぁ
こんなことなら夏の横浜KUWATAでSMISさんのブースにいたメス単買っとくんだった……
ということでコンツム産のルフォノ原名は失敗しました
今度はベトナム北部ハザン省産のルフォノ原名になります
学名:Dorcus rufonotatus rufonotatus
和名:ルフォノタトゥスコクワガタ原名亜種
産地:ベトナム北部ハザン省
サイズ:♂♀フリー
累代:WILD
7月に行われたKUWATAフェスティバル横浜にてSMISさんのブースで購入
販売時のラベルはビシグナートゥスコクワになっていましたがこちらも現行の分類ではルフォノタトゥス原名になるのでそちらで管理します
これも欲しかった!!
夏のKUWATA横浜はこいつを目当てに行ったと言っても過言ではありません
会場してから真っ直ぐにSMISさんのブースに行ってこいつを物色していました
たぶんこんなことをする変態はそういないと思います
先行入場が終わるまで会場にいましたがSMISさんのルフォノ原名は私以外誰も買ってませんでした(笑)
お陰様で活きが良いのを選べたので個人的にはありがたかったですが
上で書いたようにこの時にコンツム産もいました
ミカクワさんで買ってなければ狂喜乱舞して買っていたことでしょう
入手経緯はさておき画像を見ておわかりの通り雌雄共に上翅に色は付きません
体色は全体的に褐色というか小豆色というかそんな感じです
そしてもちろん腿節は黄褐色
SMISさんの所にいた個体は全てこの特徴を備えていましたし、SNS等でも同様の特徴となっているようなので少なくともハザン産はこれで固定されているようです
7月23日に早速産卵セットを組みました
デジケースミニにMDプロEXプレミアムを固詰めして転倒防止として水苔を敷き詰めた簡単セット
ケースとスペースがあまり残っていなかった時なので小スペースかつ簡易的に組めるものにしました
あとはこのビシグナートゥス系がマットのみで問題無いかも見たかったからです
セットを組んだ時はコンツム産の惨状を知る由もなかったので追い掛け無しで投入
程無くして卵が見えたので安心したのとマットのみでも問題無さそうということが確認できました
時が流れて3ヶ月経った10月21日
どこから入り込んだかコバエの幼虫が鬼沸きしていたので大量発生する前に割り出すことに
ちなみに絵面が最悪だったので割り出し中の画像はありません
28頭爆産!!
側面から幼虫が少ししか見えていなかったのとミニケースなのでそこまでいないだろうと思っていました
まさかこんなにいるとは……
いても10頭ちょいだと思っていたので用意していたプリンカップが足りずに800や1400のボトルに複数入れる形になりました
予想よりだいぶ多かったですがこれだけいれば累代には問題無さそうなので一安心
出来ればBE-KUWAレコードを塗り変えて本物のルフォノタトゥス原名亜種はコレだ!ってしたいですね
なんとなくgiselaeの方が大型化する傾向にあるような気がしているので厳しいとは思いますが
とりあえずは無事に羽化、できれば綺麗で大型にできるように頑張ります
というわけでルフォノタトゥス原名亜種2産地でした
片方は失敗してしまったわけですが……
せっかくなので中部のルフォノ原名らしき個体の画像も載せておきます
オスは北部より褐色で上翅の縁に紋が出ているのがわかるかと思います
メスは上述した個体と同じ特徴ですね
これは去年ヤフオクにてタイ産として購入しました
どう見てもベトナム中部産の特徴ですし、その方は原名とgiselaeどちらも出品されていたのでラベルミスだと思われます
この個体は鑑賞用にして累代していません
こういうことがあるからWILDからやりたいですよね
最近では基本的にはベトナム中部の特徴なのですがお尻部分にはっきりと黄紋が出ている個体が出品されていたりします
たぶんあれは……
上翅後方だけ紋が強く出ることは基本的に考えられません
見たこともありませんし、紋が強く出るなら上翅全体に影響するかと
ルフォノタトゥスの購入を検討されている方はよく吟味して気をつけましょう
ここまででベトナム北部と中部で違いがあるのが理解していただけたかなと思います
北部と中部で違いがあったり、亜種分けされている種類もいます
同じコクワガタだとアローコクワがそうですね
中部はリエン、北部はマグダレインのように亜種分けされています
ビタリスも北部は原名、中部はssp.になっていたりしますね
なので将来的には亜種分けされる可能性もあるのかなと思っています
以上、ルフォノタトゥス原名亜種の紹介でした
不思議な魅力のあるクワガタです
飼育自体もあまり癖は無いはずなので気になった方は機会があれば是非
11月頭には完成していた記事なのですが細部を確認する時間が無くて更新するのが遅くなってしまいました
11月の記事が0になってしまったので12月はもう1,2件は書きたいですね
それでは今回はこの辺で〜
今回はルフォノタトゥス原名亜種のお話
そもそもルフォノタトゥスコクワガタとはなんぞやという話なのですが、2010年に発刊された世界のクワガタムシ大図鑑ではビシグナートゥスコクワガタの亜種になっていた種類です
elsiledisがルフォノタトゥス原名亜種に、giselaeがルフォノタトゥスのタイ亜種になったのが現行の分類になります
それぞれの分布域はどこなのかという話ですが、ざっくり言うならベトナムが原名亜種、タイが亜種giselaeです
が、ベトナムのイェンバイ産に関しては亜種giselaeに類するものと思われます
ベトナムに生息しているものを一括りにルフォノタトゥス原名亜種としているためその括りになっていますが生体の特徴が完全にgiselaeと一致するためです
それぞれの特徴をざっくり書くと
原名亜種
・腿節は赤褐色
・全体的に褐色
亜種giselae
・腿節は黒色
・全体的に黒色
・上翅後方に黄紋が発生
こんな感じです
もし手元にイェンバイ産の個体がいる方は照らし合わせてください
私もWILDを何頭か見ましたが全てのgiselaeの特徴を備えていました
なのでイェンバイ産に関してはgiselaeと思われます
そして困ったことにBE-KUWAの飼育レコードにはこのgiselaeと思われる個体が登録されているのです
BE-KUWA54号世界のコクワガタ特集でもベトナム北部〜中部をルフォノタトゥス原名亜種の産地としているのでそれに倣った形なのだと思いますがそれにしても……
しかも腿節が赤褐色を原名亜種って記載されているんですけどね
更に言うとベトナム北部と中部でも微妙に違うんですよねぇ
ベトナム北部(ハザン辺り)は上記の特徴ほぼそのままなのですが中部(コンツム辺り)は上翅に黄紋というか外側に沿う様に線が入ります
これは雌雄どちらにも該当します
地域変異と言われればその通りなのかもしれないのでこれ以上は何も言えませんが……
逆にgiselaeのようにお尻付近に少しだけ出ることはほぼ無いと思われるので、イェンバイ以外のベトナム産でお尻付近にしか紋が無い場合はラベルミスか産地ミックスを疑った方がいいかと
ヤフオクでたまに見られますので
さて前置きが長くなってしまいましたが今回たまたま原名亜種を2産地入手することができましたので紹介していきたいと思います
まずはベトナム中部コンツム省産
学名:Dorcus rufonotatus rufonotatus
和名:ルフォノタトゥスコクワガタ原名亜種
産地:ベトナム中部コンツム省
サイズ:♀フリー
累代:WILD
残念ながらメス単品です
Ultimate Mika KABU KUWAさんの6月下旬のベトナム便にて購入
実は買う予定は無かったというか、入荷リストに無かったので入荷していたことを知りませんでした
クサカベコクワをネットで注文し、受け取りに行ったのですがメスが落ちてしまったためキャンセルに
まだ記事にしていない他2種だけ購入して終わりにしようかと思っていたところ、謎の籠があったのであさってみたらいました
一応不明ドルクスということでしたがコンツムでこの色形は99%ルフォノタトゥス原名なので即決
以前からドルクスグッズさんに入ったWILDを狙っていたのですがだいたいすぐ売り切れてしまって買えずだったのでなかなか嬉しかったです
画像を見てもらえればわかるように上翅の縁に沿って紋が入っています
そして腿節にもしっかりと黄褐色が出ていますね
これがベトナム中部の特徴です
思わぬ形で入手できたコンツム産の原名、メス単なので持ち腹にかけてセットを組みました
7月9日
左:Amberさんのナラ材柔らかめ
右:ホビー倶楽部さんの植菌カワラ材
マットは産卵1番、ケースはメガフードコンテナです
セットを組んだ際のメモにはホビー倶楽部さんのカワラ材と書いてましたが確か勘違いでクワガタ横丁さんのダブルカワラ材か人工カワラ材だったと思います
材を削っていることは確認したのでいつもの如く幼虫で割り出すため放置
来たる10月25日割り出しを敢行しました
蓋を開けるとこんな感じ
相変わらずなかなかの具合です
どこかのタイミングで左の材を持ち上げて確認したような気がしないでもないですが基本的にセット後は触っていません
さてさて成果はどんなものかと材を割っていくと……
なんの成果も!!
得られませんでした!!
めちゃくちゃ削った跡も卵らしき跡もあったのですが幼虫はいませんでした
掛かってなかったか種切れだったようです
メス単では仕方がないことですが辛いですねぇ
何より辛いのはあの綺麗なオスを見ることが叶わなくなったことです
ベトナム中部のルフォノ原名は本当に綺麗なので見たかったなぁ
こんなことなら夏の横浜KUWATAでSMISさんのブースにいたメス単買っとくんだった……
ということでコンツム産のルフォノ原名は失敗しました
今度はベトナム北部ハザン省産のルフォノ原名になります
学名:Dorcus rufonotatus rufonotatus
和名:ルフォノタトゥスコクワガタ原名亜種
産地:ベトナム北部ハザン省
サイズ:♂♀フリー
累代:WILD
7月に行われたKUWATAフェスティバル横浜にてSMISさんのブースで購入
販売時のラベルはビシグナートゥスコクワになっていましたがこちらも現行の分類ではルフォノタトゥス原名になるのでそちらで管理します
これも欲しかった!!
夏のKUWATA横浜はこいつを目当てに行ったと言っても過言ではありません
会場してから真っ直ぐにSMISさんのブースに行ってこいつを物色していました
たぶんこんなことをする変態はそういないと思います
先行入場が終わるまで会場にいましたがSMISさんのルフォノ原名は私以外誰も買ってませんでした(笑)
お陰様で活きが良いのを選べたので個人的にはありがたかったですが
上で書いたようにこの時にコンツム産もいました
ミカクワさんで買ってなければ狂喜乱舞して買っていたことでしょう
入手経緯はさておき画像を見ておわかりの通り雌雄共に上翅に色は付きません
体色は全体的に褐色というか小豆色というかそんな感じです
そしてもちろん腿節は黄褐色
SMISさんの所にいた個体は全てこの特徴を備えていましたし、SNS等でも同様の特徴となっているようなので少なくともハザン産はこれで固定されているようです
7月23日に早速産卵セットを組みました
デジケースミニにMDプロEXプレミアムを固詰めして転倒防止として水苔を敷き詰めた簡単セット
ケースとスペースがあまり残っていなかった時なので小スペースかつ簡易的に組めるものにしました
あとはこのビシグナートゥス系がマットのみで問題無いかも見たかったからです
セットを組んだ時はコンツム産の惨状を知る由もなかったので追い掛け無しで投入
程無くして卵が見えたので安心したのとマットのみでも問題無さそうということが確認できました
時が流れて3ヶ月経った10月21日
どこから入り込んだかコバエの幼虫が鬼沸きしていたので大量発生する前に割り出すことに
ちなみに絵面が最悪だったので割り出し中の画像はありません
28頭爆産!!
側面から幼虫が少ししか見えていなかったのとミニケースなのでそこまでいないだろうと思っていました
まさかこんなにいるとは……
いても10頭ちょいだと思っていたので用意していたプリンカップが足りずに800や1400のボトルに複数入れる形になりました
予想よりだいぶ多かったですがこれだけいれば累代には問題無さそうなので一安心
出来ればBE-KUWAレコードを塗り変えて本物のルフォノタトゥス原名亜種はコレだ!ってしたいですね
なんとなくgiselaeの方が大型化する傾向にあるような気がしているので厳しいとは思いますが
とりあえずは無事に羽化、できれば綺麗で大型にできるように頑張ります
というわけでルフォノタトゥス原名亜種2産地でした
片方は失敗してしまったわけですが……
せっかくなので中部のルフォノ原名らしき個体の画像も載せておきます
オスは北部より褐色で上翅の縁に紋が出ているのがわかるかと思います
メスは上述した個体と同じ特徴ですね
これは去年ヤフオクにてタイ産として購入しました
どう見てもベトナム中部産の特徴ですし、その方は原名とgiselaeどちらも出品されていたのでラベルミスだと思われます
この個体は鑑賞用にして累代していません
こういうことがあるからWILDからやりたいですよね
最近では基本的にはベトナム中部の特徴なのですがお尻部分にはっきりと黄紋が出ている個体が出品されていたりします
たぶんあれは……
上翅後方だけ紋が強く出ることは基本的に考えられません
見たこともありませんし、紋が強く出るなら上翅全体に影響するかと
ルフォノタトゥスの購入を検討されている方はよく吟味して気をつけましょう
ここまででベトナム北部と中部で違いがあるのが理解していただけたかなと思います
北部と中部で違いがあったり、亜種分けされている種類もいます
同じコクワガタだとアローコクワがそうですね
中部はリエン、北部はマグダレインのように亜種分けされています
ビタリスも北部は原名、中部はssp.になっていたりしますね
なので将来的には亜種分けされる可能性もあるのかなと思っています
以上、ルフォノタトゥス原名亜種の紹介でした
不思議な魅力のあるクワガタです
飼育自体もあまり癖は無いはずなので気になった方は機会があれば是非
11月頭には完成していた記事なのですが細部を確認する時間が無くて更新するのが遅くなってしまいました
11月の記事が0になってしまったので12月はもう1,2件は書きたいですね
それでは今回はこの辺で〜