トキのカブクワ飼育記録

カテゴリ: ビタリスフタマタ原名亜種

こんにちはトキです

今回はBE-KUWAで特集されてフタマタ熱が上がっている方もいると思うのでビタリスフタマタの各亜種を生体で比較していこうと思います

※途中まで書いたのに一回全部吹き飛んだので若干文章が抜けてたり雑だったりする部分があります



まずはこちらの3種類


DSC_1986


DSC_1988


DSC_1994


左:ビタリス亜種ツカモト   75mm
中:ビタリス原名亜種           77mm
右:ビタリス亜種コットン   74mm


ツカモトのみブリード個体で他はWILD個体になります

ツカモトは当然として原名とコットンも結構違いがありますね

ちなみに撮影したのは去年なので全てもう手元にはいません



更に2匹ずつ比較していきます

まずは原名(左)とコットン(右)の比較


DSC_1984


コットンは良く言われている通り原名亜種に比べて顎の発達が悪く、基部の外側への湾曲が強いです

あとは頭部がより艶消しな気がします



次にツカモト(左)と原名(右)の比較


DSC_1995


ツカモトの特徴は大顎がスラッと伸びて先端に行くにつれて先細り、前胸の形が長方形になる(他亜種は台形)、大顎基部の双葉突起の上側が短い、双葉突起の上に必ず内歯が出現する(小型は除く)

こんな感じでツカモトだけ凄く差異が多いです

この辺が一部でツカモトが独立種と言われた由縁かと思いますね



ツカモトが別個体になりますがコットン(左)とツカモト(右)の比較


DSC_1911


このツカモトは60mm台ですが顎の長さは同じかツカモトの方が長いかも?

コットンの顎の発達がいかに悪いかがわかりやすいかと思います

ツカモトが長すぎるというのもありますが……



そしてssp.(左)と原名(右)の比較


DSC_2958


DSC_2962


左:ビタリスssp.            75mm
右:ビタリス原名亜種   78mm


ssp.のブリード個体の画像が出るのは初めてかも?

2022年5月にPLANET OF BEETLEさんに入荷された生体を購入し、累代した個体です

親は入荷最大の71mmでしたが親は越えてくれました

何故か1メスに掛けたら符節が全部飛んでしまいましたが……


ssp.の特徴はツカモトと同様に大顎基部の双葉突起の上に内歯が出現することです

親も含めて100%出現しているので明確な差異だと思います

原名でここに内歯が出る個体はほとんどいません

他の内歯の出方もツカモトに近いですが、前胸の形はツカモト以外の亜種に近い台形でした

双葉突起の長さも原名等とほぼ同じ

なんとも難しい種類です

地域変異と言われればそうかもしれないし割りと明確な差異は見られるので別亜種としても問題なさそうではあります


それはそれとしてここで原名として出した個体の産地がベトナム・ライチャウなのですが、現在は原名として流通しています

ただBE-KUWA87号ではこの産地の個体はタイ亜種コットンに含まれているんですよね

顎はしっかりと伸びるので原名な気がしますが最大内歯が若干先端寄りなのが気になります

こちらも難しい……

コロナ前に入って来て以降は入荷が無く、この個体でWF5なのでそろそろ累代的にもキツそうでいつ途絶えてもおかしくないです

というかうちではもはやメスが探したらいるかもレベルなので風前の灯火です

ちなみに1番最初の3種比較はイェンバイ産なので原名亜種で間違い無いと思います



さて、ここでビタリスのブリードについても触れておこうと思います

とはいえ私はビタリスはツカモトから入ったのでツカモト以外の感覚はあまり参考にならないかもしれません

ただ、ビタリスに共通していることはフタマタと思って材選びをしない方が良いということです

ここまでで後はぼかそうかと思いましたが最近はSNSで同じような内容を発信する方が出てきたのでズバリ書きます

ぶっちゃけて言うなら固い材を使ってください

大体の方はフタマタと言われたらフォルスターとかを想像して柔らかい材を使うと思いますがそれが落とし穴です

他亜種はなんとかなるかもしれませんが、ツカモトは柔らかい材はそもそも噛りすらしません

騙されたと思ってオオクワガタに使うような材を入れてみてください


DSC_3137


大袈裟に言うならこのくらいの材で良いです

断面には何も刺さらないくらい固いですが産みます

ただし、このレベルだと固すぎてメスが埋め戻しする途中で潰したり、割り出す際に潰してしまったりするのでもう少し柔らかいものを選ぶのが無難です

この材は実際にビタリスssp.に使用していますがセットしてから他のことを30分ほどしている間に


DSC_3153


ちょっと見えづらいですがすぐに削り始めました

一心不乱にこの材を削っているのでやはり感覚は間違っていないようです


フタマタはクヌギ材よりナラ材の方を好む傾向にあるのですが市場に出回ってるナラ材は固いものが多いので選択肢から外れがち

でも固めを好むビタリスならその固めのナラ材がバッチリハマるのでナラ材を積極的に採用するのが良いかと思います

用意できるなら固めのブナの天然カワラ材が最高です

お高いので選択肢の一つとして考えるのがくらいで大丈夫ですが……

ツカモトの感覚を掴んだ材なんてフォーテックさんのちょい細材でまとめ売りされているナラ材でした

当時の金額を忘れてしまいましたが1本辺り200円かそれ以下くらいだったと思います

そのくらいのものでバクテリア加工しなくても1本で15個ほど採卵できたので高い材ではなく合う材を探しましょう

こんな感じでツカモトに合う材を選んだら自然と他の亜種にも対応できるようになったので他亜種の難易度感覚が私はわかりません

初めてビタリスをブリードする方には難しいかもしれないので、困ってこのブログにたどり着いた方はとりあえず上記の材選びを意識してみると良いかと思います



以上、ビタリスの亜種間比較とブリードについてのお話でした

ベトナム便がまた入荷するようになってこの時期はビタリス原名が入ってきてますね

去年は9月にコットンが入荷したので今年も期待したいところです

何故かと言われると失敗したからです(笑)

ハズレメスを引いたのか持ち腹で産卵させて全腐り、追い掛けしても全腐りで幼虫を見ることすら叶いませんでした

コットンが流通していないのはもしかすると孵化率が悪いのが原因なのかもしれませんね

まぁまだ1メス試しただけなので近いうちにまた検証できたらなと思っています


ツカモトが一昨年PLANET OF BEETLEさんに入荷したのも9月でしたね

入荷最大の♂86mmが届いて1週間で落ちたのは良い思い出です

一昨年はWILDとブリードの2ラインでブリードして去年から今年にかけてどちらも羽化してきました

ただ、忙しい時期にカチ合ってしまいあまりにも適当なセットを組んだ結果、空砲を連発されてどちらも繋げられませんでした

ちなみに7月のKUWATA横浜でWild Villageさんからツカモトを購入してます

小さいサイズなのに強気な値段だったので一般入場付近まで残っていました

直近でヤフオクに出ている累代品の成虫ペアは曰く付きの方が出品していて買えなかったので良かったかなと

悪い評価がつきすぎてアカウントを変えたようですが

私も人生で初めて悪い評価を付けた方です

話がそれましたが購入したペアにプラスして成長不良で長らく幼虫をしていたメスがベストタイミングで自力ハッチしてきたので♂1♀2で今年は挑みます


後はラオスのミヤシタですねぇ

全然入ってきてないので国内は途絶えているのではないでしょうか

今年こそは入ってきてほしいものです


ssp.に関してはどうなんでしょう

ベトナム中部の個体群は全く入って来ないですね

四川省のは私以外に購入した方はいるのかな?

私が真っ先に購入して以降は2ヶ月くらい在庫が変わらなかった記憶があるので……

ビタリスのフォルムとても好きなのでssp.含めて制覇するのが野望です(笑)




最後に単体の画像を張って終わりにします
(ツカモトだけ単体画像ありませんでした)


Hexarthrius vitalisi vitalisi


DSC_1998




Hexarthrius vitalisi cottoni


DSC_1917




Hexarthrius vitalisi ssp.

WILD
DSC_1415


WF1
DSC_2954



もう少し上手く撮れるようになりたい……!!

それでは今回はこの辺で!



こんにちはトキです

今回はビタリスフタマタ原名亜種のお話


卵を確認して以降は全く手付かずの状態だったビタリス

メスは結構前に星になり、たまに加水をするだけで幼虫がある程度育つまではそのままにしていました

マットに見える幼虫も2齢になったのでそろそろ割り出さなければと重い腰を上げました


産卵セットの記事はコチラ



割り出し日は4月16日です

材を3本入れていたのでまずは材から割り出すことにしました

結構食い進まれていたので割りやすく、パカッと割ってみると


DSC_1266


メスの3齢らしき幼虫が出てきました

最初に孵化を確認したのが12月上旬だったので4ヶ月と考えるとメスは3齢になっていても不思議ではないですね

なのでもう比較的育っている幼虫しかいないと思って割り出しをしていましたが……


DSC_1267


小さな初齢もいました

危うく見逃すところでしたが発見できて良かったです

さすがにここまで小さいのはこの子だけだったようで材から採れた他の幼虫は全て2齢でした


DSC_1268


材からは結果的に7頭の幼虫を発見

真ん中にいる子は傷つけてしまったようで体液が漏れていました

マットに投入したあとも潜っていって動いている形跡があるのですぐに星になってしまうほど重症では無かったようです

持ち直してくれることを祈ります


材の確認が終わったので今度はマットをひっくり返してみると


DSC_1269


側面から見えていた幼虫が出てきました

底面側面からはこの1頭しか見えていなかったのでこの子のみかと思っていましたが意外といたようでマットからは6頭の幼虫を発掘

材とマットで合計13頭の幼虫が得られました

底面側面に幼虫が見えていなかったので5頭くらい、多くても二桁は行かないだろうと思っていたのでなかなかの収穫です

ちなみにここから先は取り忘れたので画像はありません(汗)


予想外に採れたので急遽プリンカップにマットを詰める作業を開始

MDマットプロEXプレミアムを430ccプリンカップに詰めて投入しました

2頭だけMDクワガタマットプロ改に入れたので成長具合を見れればなぁ、とか考えています

プロEXプレミアムはシカフタマタに合っていると説明には書いてるものの、微粒子で発酵が深めなのであまり持ちが良い方では無いかなと

それでフタマタに合うの?という疑問が残るのでプロEXプレミアムより発酵浅め粒子粗めのプロ改に入れてみた形です



さてさてそんなこんなでビタリスフタマタ原名亜種の割り出しでした

思ったより採れたのは嬉しい限りです

もうちょっとちゃんとやっていれば30頭くらいは採れたと思うのでそれは反省点ですね

冒頭で手付かずだったと書きましたが1回だけ少し割り出しをしたことがありました

2頭か3頭出てきたところで急にやる気がなくなってそのまま戻しましたが……

なのでその幼虫が落ちていなければ全部で15頭以上になりました

あとは無事に羽化まで持っていけるかと見れるサイズに育てれるかです

産卵自体は紹介記事で書いた通りツカモトに比べて癖が無くて簡単でした

ツカモトに挑戦してみて失敗した方はビタリスから初めて見るといいかもしれません


そういえばビタリス原名と言っていますがベトナムのビタリスは原名で合ってますよね?

現在流通しているのがベトナム産のものだけだと思うので少なくとも混ざることは無いと思いますが……

ラオスがミヤシタ、タイがコットン?みたいな感じでしたっけ?

他の亜種は画像すら見る機会が無いのでどんな特徴があるか見てみたいです


それでは今回はこの辺で!




こんにちはトキです

KUWATAフェスティバル横浜・秋での購入品紹介第3弾

タイトルの通りビタリスフタマタクワガタのお話



まず大前提としてトキ家では同種の別亜種は基本的に飼わないようにしています

理由は簡単で混ざったら困るからです

とは言いつつもヘラクレスとオウゴンオニに関しては飼ってしまっていますが……

あとはクレナトゥスも厳密に言えば亜種になりますね(ツツイとカワノイとか)

特にフタマタに関しては亜種でなくてもメスの判別が困難を極めるのに亜種はほぼ不可能だろうと思っているため今まで完全に避けていました

とまぁ極力避けるようにはしているのですが、なぜこんな話をするのかというとビタリス原名を買う前に既にビタリスの亜種であるツカモトフタマタを飼育しているからです

しかも2ラインも……

先に記事を書く予定だったのですがKUWATAの購入品紹介はできるだけ連続させた方が良いと思い先にビタリスを記事にしました

ツカモトも後々書こうとは思ってます




さて、前置きが長くなってしまいましたがビタリスフタマタ原名亜種


DSC_0768


DSC_0771


ビタリスフタマタクワガタ
ベトナム ライチャウ産
WF4同血統
♂73.5mm
♀39.6mm
雌雄共に7〜8月羽化


ステータスはこんな感じです

購入したブースはわかりません(ピュアフォレストさん周辺だったかも?)

上翅が赤くなるツカモトもいいですが真っ黒の無骨な感じも良いですねぇ

去年辺りにヤフオクで見かけて買おうとしたものの思いのほか高騰したため買えず

今年の夏前にツカモトがビタリスより久しぶりに出品されたので購入

その後はヤフオクで見かけてもスルーしてましたがKUWATA会場で生で見てやっぱりカッコ良いなと思って手を出してしまいました

真っ黒だとパッと見はノコギリですよね(笑)

ビタリスとツカモトは上翅の色の他に大顎基部の二股の突起でも見分けられそうです

上が長い方がビタリス原名、下が長い方が亜種ツカモトだと思われます

手元の生体とネットの画像はほぼ全てこの特徴なので合ってると思いますが例外があるかもしれないのでご容赦を……



購入時点で羽化時期的に即ブリ可能だったので1週間ほど同居させました

最初は動き回るメスに驚いてオスが攻撃することがありましたがメスを認識すればすんなりペアリング完了

11月16日に産卵セットを組みました


DSC_0826


中ケースに産卵1番を使用

使用した材は左から
ちょい細ナラ材
君嶋クヌギ材
くわプラクヌギ特選材

11月下旬に左の材の埋め戻しを確認したところ、無事に卵を確認したので取り出さずにそのまま戻しました

カンボジアツツイの記事でも書きましたが初齢管理がド下手クソなためです……

厳密に言えば卵で割り出すのがフタマタ系くらいなので私が下手クソなのか、フタマタの初齢が落ちやすいのかはわかりません


最近は産む場所が無いのか徘徊しているのを良く見るので材の追加をしなければと思ってます

割り出してちょっと状態を変えてあげれば同じ材でも産むパターンが殆どですが、割り出し時期を逃してしまったので



さてさてビタリス原名の産卵ですが思ったより簡単でした

難しいと言われているツカモトの原名なのでこちらも苦労するかと思いましたがそんなこともなく

ボーリン原名とバミノルムと同じ感じですかね

ただ、先にツカモトをやって産卵の傾向を掴んだから簡単に感じた可能性もあるので一概には言えませんが……

まだ割り出して無いのであの1玉以外は全く産んでない可能性も拭いきれません(笑)




そんなこんなで2021秋のKUWATA横浜での購入品紹介は終わりです

今度は冬のKUWATA横浜の購入品とか福袋の紹介とかもしないといけない

ブリードしてるのに紹介できてない種類がまだまだいるのになぁ(ツカモトとかアドゥンクスとかマンディブラリスとかコクワ系とかとか)

正直1日中ブログ書けばようやく書ききれるかもとかそういうレベルで溜まってるので全部は無理ですね……


それでは今回はこの辺で!

このページのトップヘ